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日々を、紡ぐ

君と歩けば

「ピンポーン」

朝10時

僕の住む

平屋の一軒家の呼び鈴が高らかに鳴り響く

休日でまだ覚め切らない頭で

僕はのろのろと玄関まで歩いていく

ドアを開ける

君は笑顔で

そこに立っている


かくして

まっさらな僕の休日は

急ピッチで書き換えを余儀なくされる


まったく

俺は国民健康保険証の配達で

ヨレヨレになっているというのに・・・



君はぼくのパソコンで動画を観て

僕は家事をこなしつつ

読書をして過ごしていた


よし

以前配達先で見つけた

桜ヶ丘駅近くの鉄道模型のお店に行くか!



最近

きみの口によく登る

Nゲージなるものを観に行こう


君は

僕のデジカメを首に下げる



財布とリュックは?


持ってない


おい・・・

お出かけするときは持って来いと

言ってたろうが・・・

家を出て

水道みちの

草の道を歩く


短パンの君には

草がチクチクするだろう


秋の空


シロツメクサに

赤い彼岸花

キバナコスモス

そこに飛んでくる 蝶

君が意外にも

草花や生き物に関心を持ってくれることに

嬉しさを感じた

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東林間駅

桜ヶ丘までの子供料金は・・・


ホームで電車を待つ


通過電車が来るたび



「あれは何千系!」

と教えてくれる君


よくわかるなー!

なんでわかんの?


電車の最後尾


車掌さんの動きを

飽かずに見つめる君




電車はやがて

桜ヶ丘駅に着く


歩いて2、3分


その店にたどり着いた


小さな店内には

電車の模型と

様々な形の線路

関連する商品や書籍

それに自作のための

絵具などが置かれていた

店長の男性が

丁寧に説明をしてくださった

Nゲージというのが

線路の幅を指す言葉であること

精密機械のため

丁寧に扱う必要があること

子供から年配の方まで

幅広い層に親しまれていること

などなど

「これ安いよ」

といって

線路のパッケージを僕に指し示す君

何が安いよ だ

・・・これだけあったって

しょうがないだろう

いやあ

君みたいに物を大事に扱えないやつは


当分無理だろうな・・・


店長さんから

電車を走らせるために

最低限必要なものと

それに必要な費用を聞く


・・・うーん


決して手の届かない値段ではない か


「ありがとうございました」


そういって

君と一緒に店を出た


いや

正確には

何度か君を促して

やっと外に出たのだけれど






中央林間へ戻り

大戸屋で遅めの昼ごはん



僕は900円のイワシの定食


君は・・・


1800円のステーキ定食・・・!

ドリンクバー?

デザート?

・・・

まったく

こんなことに

いちいちイライラしている僕は

人間が小さいんでしょうかねえ・・・?

僕は結婚もしていないし

自分の子供がいるわけでもない

それでも

子育てというのは

子供と向き合う

その一瞬一瞬で

様々な判断を余儀なくされる

決して

硬直した感覚ではダメなのだ

適当さ

いい加減さ

そして

鷹揚さ

これがないと

自由の塊の

自分の欲望をまっすぐぶつけてくる子供相手に


とてもやっていられない

しかも

大人としての自分の一挙手一投足が

そのまま目の前の相手に反映されるという


子育てというのは

・・・本当に大変だ!


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食事を終え

HANDS BE に立ち寄った

ハンドマッサージの機械に手を入れる君


「学校で疲れてるからねえ」

君のその言葉に

僕は思わず大笑いしてしまった


店員さんや周りの人が

こちらを振り向くほどの


そうだなあ

学校だって疲れるわなあ!

店を出る

タクシーに乗ろう

贅沢言ってんじゃねえ!



鶴間自然の森を歩いた

ツクツクボウシの声

少し前までの

あの暑さが嘘のように


涼しい風が吹きわたる

ツタウルシって何?

触るとかぶれるんだってさ

おっ

キノコ生えてる!

毒キノコ?

持って帰ろうか

いや それはやめとこう

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森を抜け

線路沿いに歩く


キバナコスモスが咲いている


よし

写真に撮っとけ

どういう風に撮ればいいの?


自分が

きれいだと思ったものを撮ればいいんだよ


東林間の東急で僕の買い物をして


家に帰り着く

はい

よく頑張って歩きました


今日ここにきたこと

よりちゃん(僕の母のことです)には内緒ね♡

ゆう〜く〜ん♡

そういって

生暖かい体を寄せてくる


ふざけんな馬鹿野郎!


君が自転車で家に帰った後

母に電話した

母は僕を気遣って

君に

僕のところにきてはいけないと

釘を刺していたのだ

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家族を持つ

とか

子供を育てる

とか

僕にはできないかもしれないな


こんな一日を過ごした後

思う


僕は

孤独でいる時間が長すぎたし

何かを人と共有することも

難しいかもしれない

おまけに

金に関してケチだ・・・


子供の生意気さとわがままに

本気で怒りを覚えることも ある


それでも



僕に対して

なんの遠慮会釈も

先入観もなく





今ここにいる僕に

まっすぐに向かってくる

僕のことを

いて当然の

いなければいけない人間として扱う


そんな君の存在に

僕は

大きく

救われているのかも

知れない

君が僕に寄りかかっているのではなく


実は

僕が

君に支えられているのかもしれない


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今日の写真は

全て

君が撮影してくれたもの


なかなかいい写真が揃っているじゃないか


ちなみに最後の写真は

作者の横顔であります(笑)










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# by january_4stars | 2018-09-17 17:00 | Comments(0)

無題


実家で新聞を読んでいた


一人の女性が亡くなられたという話に

胸を打たれた

そのかたは

中学生のとき

柔道の練習中に意識を失った

男子生徒から

何度も投げ飛ばされたのだという


それを読んだとき

目の奥が

頭の中が

ぎゅっと締め付けられるようだった

長い長い療養とリハビリの日々

いつか

言葉が戻ってくるかもしれない


ご家族は

そんな希望を持って

女性に寄り添っておられた


しかし

先日



女性は27歳で

この世を去った


女性にとっての

そのご家族にとっての

そこに横たわる時間の

重さ

そして長さを思う


僕たちが生きている日常というものは

まるで薄氷の上を歩くように

脆く 

壊れやすいものなのだ


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実家で

毎晩

食事をいただく

「ごちそうさま」

席を立ち

母と甥っ子と挨拶を交わす

母に見送られながら


夜の闇の中にひとり歩き出すたび


これが最後の別れになるかもしれない


そんな気持ちを

いつからか抱くようになった


感傷

ではない



僕自身が病気になり

「死」というものが

より身近になったこと


周りがいつ

どんなふうになってもいいように

こころのどこかで

常に構えているのだ




ここで笑いあえた誰かと

また明日も


同じように笑顔で出会える

そんな保証は

どこにもない


壊れる

ということを忘れたら


幸福は

見えない

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# by january_4stars | 2018-09-17 09:58 | Comments(0)

その向こうに

闇の中で

孤独の中で

消えてしまいそうになったこともあったでしょう



それでも

生きようとする

あなた


あなたの持つ影は

あなたの魂の光をより強くして

あなたの周りの人を

静かに

優しく

照らすでしょう



だから

あなたは

生きなければならないのです


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# by january_4stars | 2018-09-16 12:26 | Comments(0)

物語る


たとえそれが

どんなに何かに似ていても

それは

あなただけが

生きることの出来た


あなただけの

物語

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# by january_4stars | 2018-09-11 19:15 | Comments(0)

欠落

経堂駅を過ぎて

多摩川にかかる鉄橋を渡る


まだその時間は青空が出ていて


川面が 

きらきら輝いていた

きれいだった


午前中は

御茶ノ水の日本大学歯学部附属病院


いつもお世話になっているT先生

どんなときも

穏やかで優しい物腰で接してくださる


だからこちらも

安心して治療を受けられる
 
先生にだって

体調の悪い時や

嫌なことだってあるはず


なのに

そんなことをおくびにも出さず


治療に当たってくださる


それは

本当にすごいことだと思う


人間的な資質なのか

プロの医師としての意識なのか


たぶん

その両方なのだろう


僕には

とても真似できない


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午後からは

新大久保の東京山手メディカルセンター


潰瘍性大腸炎の定期通院


診察を終え

いつもお世話になっている薬局へ向かう


3ヶ月分の薬

リアルダ錠(潰瘍性大腸炎の治療薬)

タケキャブ錠(胃薬)

ビオスリー(整腸剤)

そして

肛門から注入するペンタサ注腸

量が多いため

いつも自宅まで配送してもらっている


薬剤師の女性の方が

僕のそばで

床に跪くようにして

配送の説明をしてくださる


仕事とはいえ

こんなふうに丁寧な姿勢を見せてくださるというのは

本当にありがたいことだと思う


誰かの仕事を「受ける」ことで


こころの中の

何かが満たされる


それはきっと

尊厳だと思う


病気に対する不安


通院の疲れ

そういったものを緩めて

希望を持たしてくれるような

一人の人間として大切に接してくれているような

そんな 安心

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夕方

相模大野に戻ると

雨が降り始めた


少しずつ日が短くなるこの頃

夕闇が

街を覆い始めるなか

ひとり

街を歩きながら

こころに浮かぶのは



自分の中の

欠落


今まで

何人もの女たちが


僕の人間的な欠陥に対して

いろいろな言葉を僕に投げかけた


それは

専門学校時代の担任であったりしたし

通っていたカフェの店主だったりした


そのたびに

僕は

ただ

黙るしかなかった


あなたたちの言っていることは


きっと正しいのでしょう


じゃあ

僕は



どうすればいいのですか

僕は

僕でしかないのです

他のものにはなれません

無い袖は振れません


頼むから

あなたたちの正しさで

僕を苦しめるのはやめてほしい


あなた方は

あなた方の正しさを生きればいい

誰も

僕のいのちを

代わりに生きることはできないのだから




実家では

父に依存し続ける姉と

その子どもがいて


両親がいなくなれば

姉は生活保護を受ける以外に

自力で生きる術はなさそうで

発達障害を持つ甥っ子は

施設に入るのか

僕のことを良く思わない妹


そして

「お前はこの家の跡取りなんだ」


そんな家のごちゃごちゃを

全て僕に背負わせようとする 父



残念ですが


僕には

世間で言うところの

「まともな恋愛や結婚」


できない気がします


それに

僕自身

自分を

「正しさ」の枠に押し込めて

それに合わない自分を悲しむ

ということに


いい加減疲れました




僕はもう

僕でいたいのです

もう

他のものにはなりたくないのです

欠落

欠陥

病気を抱えたこのからだと


自分でもわからないようなこころを抱えて

それでも

僕は

生きていきたいのです
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# by january_4stars | 2018-09-10 18:17 | Comments(0)

日々思うこと、感じること