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日々を紡ぐ

 ついていけなかった

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ついていけなかった。



夏が過ぎ、


秋になって。



空気が冷たくなる。






この時期は、いけない。


いつの間にか、



夜の闇のほうが長くなっている。







こころとからだの


バランスが崩れる。









ラジオをつければ、


どこかの国で


また戦争が始まっている。



今日は何人が、


明日は何人が


犠牲になっていくのか。



日に日に増えていくその数を聴いて、



ほんとにもう、


ついていけない。




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優れた美術作品に触れようと、


さまざまな展覧会へ


足を運んだ。




一日、

美術館や博物館を


ふらふらになるまで歩き回った。



















ある日、


「今日はどこにも行かない





秋の庭仕事をした。




伸びた芝をはさみで刈り、


チューリップの球根を植え、


家の周りのドクダミを抜く。





お向かいさんが出てきて、


世間話をする。




庭に咲いたアスターの花を欲しい


はさみでひと枝切ってあげると


とても喜んでくれた。



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引っ越してきたばかりの頃。


庭を開拓するにあたって


刈り取った雑草を


空いた肥料袋の中に詰めておいたものが


いま、


堆肥になった。





庭というのは、


こういうところが、


本当にいい。




僕自身も



それをしたことを忘れていたようなことが、



時間が経って


ある日、



思いもよらないような姿を


見せてくれるとき。



草木が土に帰ること。


蒔いた種から


芽が出る。


花が咲く。





葉が落ちて、


また、



芽が出る。



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相変わらずの生活。



吹けば飛ぶような、



細々としたものですが、



それでも



なんとか生きてます。









# by january_4stars | 2023-10-17 20:53 | Comments(0)

手紙




残暑お見舞い申し上げます。



ご無沙汰しておりました。


みなさま、


連日の酷暑の中、


いかがお過ごしでしょうか?





先ほどから


雨の音が


強くなってきました。



台風の影響が心配です。





みなさまのお住まいの地域は


どんな様子でしょうか。










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13年間使っていたパソコンが壊れたのが、






二ヶ月前のこと。




旅行の準備や


このブログをはじめとして


たくさんの人とのやりとりなど、


僕の生活を


豊かに彩ってくれました。


しかし


その反面、


くだらない時間潰しのために


パソコンの前にいることも多く、



また


僕がこの場に書くことも、


決して

人を愉快にさせるものではない


という反省もあり・・・。




なので


いい機会だと思い、


しばらく



ブログもお休みしていました。




そして、


絵を描く時間を増やしました。




美術館へも積極的に足を運びました。







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家の前で


このデッサンを描いている間、



たくさんの人が



声をかけてくれました。



自転車で偶然通りかかった


オーストラリアの人は、


あとで


娘さんを連れて


もう一度観に来てくれました。


夕方、


介護の仕事を終えて


保育園に娘さんをお迎えに行った帰りに


通りかかった女性。


「子どもがうるさくて申し訳ないです・・・」


いやいや。


責任ある仕事に従事して


お子さんや家のことまでなさるなんて、


独り身の僕からしたら


頭が下がりすぎて


地面にめり込む勢いです。










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動物園で


これを描いたときも


飼育員さんをはじめ、



子どもたちがたくさん


声をかけてくれました。




絵を描くというのは


孤独な仕事ですが、


それを通して


たくさんの人を楽しませたり


人との関わりを生み出してくれます。














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多くの場所で


お祭りや


花火の音が聞こえてきます。





楽しそう


と思う気持ちと、



孤独な身の上を思い知らされる気持ちとが



自分の中でせめぎ合います。



まあ、



夜が過ぎて


朝になれば



大丈夫になるのですけど、


ね・・・。








「危険な暑さ」


「記録的な大雨」


この言葉を


ニュースで聞かない日がないほど



いろんなことが


おかしくなっている気がします。



先日、


図書館で観た



ユダヤ人の強制収容所の


死体捨て場の写真。


そこに写っていた人々の


苦悶の表情が



忘れられません。







今のような時代に、



どうすれば



「人間らしさ」




持ち続けることができるか。



孤立することなく


人との関わりを築けるか。



長く


孤独な時間を過ごした僕にとって、



一生の課題です。











職場では


いま再び、


コロナの感染が


急速に広がっており、



まだ


決して油断できない



ということを


改めて思い知ります。




暑さをはじめ、


いろんな局面に置いて



厳しい状況が続きますが、



そんな中でも


皆さんにとっての、


僕にとっての


幸せや喜びを大切に



日々を過ごしたいですね・・・。







どうかみなさま、


お身体を大切に



お過ごしください。





2023年8月14日




















# by january_4stars | 2023-08-14 10:39 | Comments(2)

取るに足りない














先日の大雨の日、


僕は


遅番の勤務だった。



夕方、


バイクで外に出る。




目の前が白くかすんで、


前が見えない。










無言で荷物をひったくって


家に戻る若い男。



書留の受け取りにサインしたあと、



まるで


はじめから


僕などいなかったかのように



夫と小さな娘と談笑を始める


若い母親。





こんな日に限って、



なぜか



そんな客にばかり当たる。













以前、


知り合いの版画家の展示を


見に行ったとき。



そこのオーナーに


自分が郵便屋であることを話すと


「は?」


みたいな反応をされたことがある。






「郵便局って


楽(な仕事)なんでしょ〜?」




言ってくる人間もいた。













郵便屋としての僕など、


ほんとうに


取るに足りない。





絵描きとしての


自分も。














けど・・・。



だからこそ



自由でいられた


とも言える。



そんな立場だったからこそ


見えた風景も、


ある。








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まだまだ、



これから。




# by january_4stars | 2023-06-04 17:04 | Comments(0)

ひとりぼっち、だめですか?








「寂しいね」とか、


「友達いないでしょ」とか、


「ひとりぼっちだね」


とか。





そういう言葉を投げかけられるのは



ひとりぼっちの人には


ほんとうに刺さるもので。






それは、


僕にも理解できる。










近くの公園を


ひとり歩いていても。






だいたいが


家族づれや


若いカップル、



友達同士。


日曜日の公園に


ひとりでいる人間は


果たして


どれだけいるだろうか。







まあ、


こういう気持ちの


ほとんどは


僕の


自意識過剰なのであり、


多くの人にとってみれば、




誰がひとりでいようと



気にも留めない。


そんなもの


なのだろうけれど・・・。



















長野県で、



四人を殺害した男は、



被害者の女性から




「ひとりぼっちだ」



と言われたと思った




供述したらしい。







都会と違い、


地方で


ひとりぼっち



というのは、



きついことも


あるのかもしれない。




だからと言って、


人を殺して


いいはずがない。





もっともっと深い孤独に


沈むだけではないのか。











先日、


横浜に


さくらももこさんの作品展を


観に行った。




ぷっと笑ったり、


じーんと感動したり、


ひやりとさせられたり。








会場は

ものすごい人だかりで、



国民的な作家

というのは


伊達じゃない。


そう


思った。










誰かと一緒なら



できること、


たくさんあるかもしれない。






けど、



ひとりぼっちだったから、




必死になって


生きてこれた。




そういうことだって



あるかもしれない。





ひとりぼっち、


だめですか?







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# by january_4stars | 2023-05-28 20:51 | Comments(2)

なりたいもの








「若い苦しみに満ちた人たちよ。


その若い魂と体で


どうかがんばっていただきたい。


若いうちに


苦しいことがたくさんあったということは、


同じような


苦しみに堪えている人々に、


どんなにか


胸せまる愛情がもてることだろう。


本当に


強いやさしい心の人間になれる条件は、


その人が経験した


苦しみの数が多いほどふえていく。


そして又、


人の心をうつ、


美しくやさしい心の作品をつくる


芸術家にもなっていける。」


(『続・わたしのえほん』草稿より 1974年)







最近は


僕も、


出かけるときには


必ず


鉛筆と


スケッチブックを


リュックサックに入れています。




あなたが


そうしていたように。










あなたには



遠く


遠く及びませんが、




いつか


僕も、



あなたが


おっしゃるようなものに





なっていきたいです。




いわさきちひろさんへ。






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# by january_4stars | 2023-05-22 20:59 | Comments(0)

日々思うこと 感じること